ロンドン生まれの宣教師、P.マケリゴット氏は、自分の子どもがもうすぐ生まれてくるというので、育児関係の本を読みあさりました。 よい子育てとは? よい父親とは?… しかし、読めば読むほど混乱してくるばかりです。 とある日、彼の混沌とした心の中に一筋の光りが差し込むような、そんな黄金の文章に出会いました。その本にはこう書いてありました。 「父親として、自分の子どもにしてやれる最高のことは、その子どもの母親を心から愛することである」 最近、川にメダカがいなくなりました。環境汚染が原因とか言われています。水が良ければ稚魚は育ちます。同じように子どもたちも良い環境にあれば育ちます。小さい子どもにとって環境とは家庭です。聖書の中にも、「一切れの乾いたパンがあって、平和であるのは、ごちそうと争いに満ちた家にまさる」とあります。 どんなに物質的に豊かであっても、お父さんとお母さんがいがみ合い、いつも喧嘩が絶えない家庭だったとしたら、子どもの心に深い傷が残ったり、不安定になったりします。 よく「子はかすがい」と言われますが、それは決して望ましい家庭の姿ではありません。夫婦の間に大きな溝ができ、子どもがかろうじて二人を引き止めているというような家庭では悲惨です。そのような環境の下では、子どもたちの心の中に、慈愛の心は育ちません。人を傷つけることは学んでも、人を生かすことを身につけることはできません。すくすくと伸びるのではなく、ゆがんでひねくれてしまいます。 親はもちろん子どもに対して、最低限のことはしなければなりませんが、親子の関係に心を注ぐ以上に夫婦が互いに心を注ぎ、しっかりとした夫婦愛をはぐくみ、深めていくことが大切です。